一般社団法人日本社会福祉学会 第72回秋季大会
一般社団法人日本社会福祉学会 第72回秋季大会
一般社団法人日本社会福祉学会 第72回秋季大会

大会について

大会長挨拶

第72回秋季大会 大会長
日本福祉大学学長 原田正樹

第72回秋季大会 大会長 日本福祉大学学長 原田正樹

 日本社会福祉学会第72回秋季大会を、本学東海キャンパスを主会場にして開催していただけることを、心より感謝を申し上げます。

 本学は1953年に開学し、学園70周年を迎えます。創立者の鈴木修学上人は、その生涯をハンセン病療養所や感化救済、戦災孤児への支援など社会事業に取り組んだ日蓮宗大乗山法音寺の山首でした。彼は「如我等無異」を本学の精神的根源としました。このことから「万人の福祉のために、真実と慈愛と献身を」を教育標語にしてきました。学園70周年では、本学が積み上げてきたこの「万人の福祉のために」という精神を、「Well-being for All」と表現し、さらなる発展につなげていきたいと考えています。

 しかし現実社会では、一層厳しい現状が突きつけられています。地球規模でのパンデミックや、武力行使を契機とした国際平和の混迷、先進国を含む相対的貧困の拡大とそれに伴う格差や分断、また社会的孤立の深刻化やセーフティネットの脆弱化が顕著になっています。

 そうしたなかにあって、私たち社会福祉関係者は現状を嘆くだけではなく、希望や可能性を見出していかなければなりません。課題解決にむけて創造的に提案し、これからの時代へ新しい挑戦をしていく必要があります。

 その際に、そもそも社会福祉とは何かという本質を探究する作業は欠かせません。例えば「制度のはざま」と言われますが、この制度のはざまを作り出してきたのは誰なのかということについて自省的かつ批判的省察とともに、コロナ禍により顕在化してきた今日的な生活不安定層への新たなセーフティネットの構築を考えることは、戦後78年、あるいは基礎構造改革以降の社会福祉を総括したところに兆しが見えてくるのではないでしょうか。

 第72回秋季大会では、こうした時代の転換期のなかで日本社会福祉学会の会員の皆様が大いに議論し、何か可能性を展望できる空間となることを願うとともに、貴学会のさらなる発展を御祈念申し上げます。

実行委員長挨拶

第72回秋季大会 実行委員長
日本福祉大学社会福祉学部学部長 保正友子

第72回秋季大会 実行委員長 日本福祉大学社会福祉学部学部長 保正友子

 日本社会福祉学会第72回秋季大会を2024年10月26日(土)・27日(日)に、東海市芸術劇場・日本福祉大学東海キャンパスで開催させていただくこととなりましたことを、心より感謝申し上げます。第70回秋季大会より対面開催が再開され、第72回秋季大会でも皆様方に直接お会いできることを嬉しく思います。

 今回の大会テーマは、「現代における社会福祉の本質を探る」です。大会校企画シンポジウムは「生活不安定層への新たなセーフティネット」をテーマに、生活不安定層が抱える困難や課題に対し、効果的な対策はどのようなものかを探っていきます。また、学会企画シンポジウムは「社会福祉における『つながること』を再考する―『つながり』と『匿名性』―」をテーマに、「匿名性」と「つながり」を切り口にして社会福祉の実践や研究について、考える機会をもちます。さらに、例年開催している特定課題セッション、口頭発表、ポスターセッション、スタートアップ・シンポジウム、留学生を対象としたワークショップ、情報交換会をプログラムに盛り込みたいと考えています

 皆様にとって、最新の研究知見を把握し、ネットワークが形成できる機会になることを願っています。

 本学社会福祉学部は、第72回秋季大会を開催する東海市に2027年度に知多半島の美浜町から移転する予定です。最寄りの太田川駅は、名古屋から名鉄で17分、校舎も駅から徒歩5分と利便性が高いです。また、中部国際空港(セントレア)からも名鉄で20分のため、どこからでもアクセスしやすい場所になります。そして、愛知県には美味しいもの(きしめん、味噌カツ、ひつまぶし等)や観光スポット(名古屋城、熱田神宮、ジブリパーク等)も沢山あります。学会前後に楽しんでいただけますと幸いです。

 皆様にとって充実した学会になりますように、スタッフ一同、心を込めて準備を進めて参りたいと思います。皆様方のご参加を心よりお待ち申し上げております。