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特定課題セッションⅠ

「ソーシャルワーク実践としての権利擁護」


10月11日 9:20~11:55 5号館社会学部B棟201教室
【コーディネーター】 岩間 伸之(大阪市立大学)

  【テーマ趣旨】  

  近年、社会福祉領域において「権利擁護」の重要性が強く指摘されるようになっている。その背景には、「権利擁護」 を要する社会福祉を取り巻く状況がある。社会福祉基礎構造改革を背景とした判断能力が不十分な人の自己決定をめぐる 課題、子ども・障害者・高齢者等への虐待に対する対応、従来の法制度やサービスの範囲を越えた新しいニーズへの対応等、 いずれも「権利擁護」が強く求められることはいうまでもない。また、社会福祉士の新カリキュラムにおいて「権利擁護と 成年後見制度」が設定されたこともそれを象徴している。
  しかしながら、ソーシャルワーク実践としての「権利擁護」のあり方に関する議論は十分になされてきたわけではない。 「アドボカシー」もしくは「代弁機能」は、ソーシャルワークの機能として歴史的にも重要な意味をもってきた。これらは 、ソーシャルワークの価値を具体化する固有の機能として、またソーシャルワークが社会に存立する意義とも深くつながっ ている。
  「権利擁護」が強く求められる昨今の状況下にあって、そこで果たすべきソーシャルワークの機能については、ソー シャルワークが内包する価値や固有性と擦り合わせをしながら取り組む必要性がある。そうすることで、「権利擁護」が ソーシャルワーク実践として現代社会に深く根づいていくことになるであろう。
  本セッションにおいては、以上の観点から、ソーシャルワーク実践としての権利擁護のあり方について、多角的に議 論できればと考えている。「権利擁護」をめぐる理論的/理念的なアプローチに加えて、「権利擁護」の具体的な実践の 検証をとおして検討を深めてみたい。
  具体的には、概ね次の3つのカテゴリーからの研究報告を求めたい。
  第1には、ソーシャルワークおける「権利擁護」の概念整理に関するものである。ソーシャルワーク実践の価値と 「権利擁護」の理念との整合性やソーシャルワークにおける「権利擁護」の範囲と内容等に関する研究報告がここに含 まれる。
  第2には、「権利擁護」に関する具体的な実践の取り組みとその検証に関するものである。ソーシャルワーク実践 としての成年後見制度や日常生活自立支援事業等の活用、地域における保証機能のあり方、ソーシャルワーク実践として の子ども・障害者・高齢者等への虐待対応等に関する研究報告がここに含まれる。
  第3には、ソーシャルワーク実践としての「権利擁護」をめぐる実施体制に関するものである。行政、社協、 地域包括支援センター、NPO等による実効性のある「権利擁護」の推進体制のあり方とその検証に関する研究報告 である。
  以上の点から、活発な議論を展開したいと考えている。積極的な参画を期待したい。

発表者 演題 ページ PDF
水上  然 市町村高齢者虐待対応評価ガイドの開発
-評価ガイドの開発において実務者は何を重視したか-
70 PDF
篠本 耕二 地域における「保証機能」の新たな展開
-障害者家族会による保証機能の補填を模索する-
72 PDF
岩崎  香 人権を擁護するソーシャルワーカーの機能と役割に関する研究
-精神保健福祉領域における実践過程を通して-
74 PDF
小西加保留 ソーシャルワーク実践としての権利擁護
-概念の理論的整理により研究と実践の接点を問う-
76 PDF

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