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特定課題セッションⅢ

「地域・『当事者』が参加・参画する社会福祉専門教育:「地域の福祉力」と「実践力」の醸成に関わって」


10月11日 9:20~11:55 5号館社会学部B棟202教室
【コーディネーター】 所 めぐみ(佛教大学)

  【テーマ趣旨】  

  現在、「現場」「地域」との連携・協働や、福祉サービス利用者ら「当事者」の教育への参加といった 実践を行っている大学等教育養成機関は.なくない。こうした協働は何のための、誰のための営みなの だろうか。一般に、大学での教育実践が生み出すものは、学生や教員との共有物であるとともに、社会 に還元するべきもの、社会の共有財産とすべきものとみなされている。同時に大学教育においては教育 の権利主体として位置づけられているのは学生であり、大学の主導で行われる教育実践への「地域」や 「当事者」の参与や協働は、学生を「ともに育てる」こととして、「地域」や「当事者」は教育への協力 者として教育実践への関わりを期待されている。大学教育への参与や大学との協働から得られるメリッ トが指摘されていることを見過ごしてはならないものの、「地域」や「当事者」らが大学教育、特に社会 福祉専門職養成教育において果たしている役割と、養成教育に参画する権利とのバランスがとれている とは言い難い現状がある。
  海外の社会福祉実践や関連専門職養成教育実践に目を向ければ、英国のようにすでにサービス利用者 やその家族らの参加・参画が「要件」とされている国もあることから、日本においてもそういった教育・ 養成への参加・参画の課題について、具体的な取り組みからの学びをいかしながら、より具体的な課題 提起をしていく必要があると考える。とりわけ、社会福祉専門職養成教育の改革が進められている現時 点において、法定資格の養成教育に留まらない社会福祉専門教育・研究機関である大学は、もっと積極 的に「地域」や「当事者」の参加・参画をその教育実践に位置づけていく必要性があるのではないだろ うか。
  本提案においては、特に社会福祉専門教育における「知識マネジメント(knowledge management)」、 すなわち誰がどのようにして支援等の教育に関わる知識を構築し伝えるのか等について焦点をあてたい。 単発的なゲスト的参加ではない、そもそも社会福祉専門教育における「価値」「知識」「技術」を、利害 関係のある「当事者」や「地域」とともに、検証、蓄積、創造することへの可能性を探ることである。 コーディネーター自身は、この実践研究課題を導く羅針盤として、Wenger とLave による「実践コミュ ニティ(community of practice)」というコンセプトを用い、提起していきたいと考えている。「実践コ ミュニティ」とは、あるテーマに関する関心や問題、熱意などを共有し、その分野の知識や技能を、持 続的な相互交流を通じて深めていく人々の集団である。手を組んで知識のデザインとマネジメントに取 り組む必要のある人々は誰か。教育養成機関である大学の方針・価値との一体化や単なる情報の共有化 の「場」という概念を越え、知識と価値の共有と創造の場としてのシステムや学習する組織形成のため の具体的組織基盤を提供するためには、どのような課題があるかについて、検討を深めていきたい。以 上のような問題関心のもと、本特定課題セッション・シンポジウムにおいて想定(期待)される領域(報 告)は以下を含む。
・ 「当事者」や「地域」が参加・参画する社会福祉専門教育実践
・ 現任者研修、地域リーダー等の研修や省察的実践のための学習モデル
・ 協働と支援についての知識創造:地域における実践共同体研究 等
  なお研究アプローチとしては実践研究を核としたいが、学習モデル等の理論研究や実践・教育の評価 研究等のアプローチを含むものも歓迎したい。

発表者 演題 ページ PDF
吉村 夕里 社会福祉教育のナレッジデザインへの利用者の参画とコミュニティ形成に関わる研究 80 PDF
川島ゆり子 コミュニティ型社会福祉現場実習における価値・知識の創造と蓄積の可能性 82 PDF
嶌末 憲子 地域と連携・協働したInterprofessional Educationの展開
-地域の評価と学生の学びに関する検討-
84 PDF

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