自由研究発表高齢者保健福祉5  岸 千代

介護支援専門員と共に行う包括的・継続的ケアマネジメント(4)
 -地域包括支援センターと居宅介護支援事業所の組織間協働のための
   コーディネーション-

○ 武蔵野赤十字在宅介護支援センター  岸 千代 (会員番号7619)
立教大学大学院コミュニティ福祉学研究科  大口 達也 (会員番号7296)
キーワード: 《包括的・継続的ケアマネジメント》 《コーディネーション》 《主任介護支援専門員》

1.研 究 目 的
 『地域包括支援センター業務マニュアル(平成19年9月)』には、地域包括支援センター(以下、地域包括)の主任介護支援専門員(以下、主任)が、介護支援専門員への「個別支援」と包括的・継続的ケアマネジメントの「体制整備」を一体的に実施することが明記されている。しかし、東京都社会福祉協議会センター部会地域包括支援センターあり方検討委員会(以下、あり方検討委員会)が、2007年8月、地域包括の主任を対象に実施した調査では、包括的・継続的ケアマネジメント支援業務には、様々な課題が生じており、「個別支援」と「体制整備」を一体的に実施することが困難な状況にあることが指摘されている。本研究の目的は、上述の様々な課題について調査(2008年12月実施)し、地域包括の主任が介護支援専門員と共に包括的・継続的ケアマネジメントを行うための方策について検討してきた今までの研究成果(表1)をもとに、「個別支援」と「体制整備」を一体的に実施する上で必要な対応と方法について検討することにある。
表1 本研究に関連する今までの研究成果について
本研究に関連する今までの研究成果について 2.研究の視点および方法

本研究は、今までの研究成果(表1)で得られた知見を研究の基本的視点として位置づけ、「個別支援」と「体制整備」を一体的に実施する上で必要な対応と方法について、先行研究や参考文献をもとに論じるものである。

3.倫理的配慮

本研究では、あり方検討委員会が、2008年12月8日に東京都内全ての居宅介護支援事業所2824ヵ所の各2名(居宅の管理者と管理者以外の介護支援専門員)を対象に郵送法で実施したアンケート調査の結果を根拠にしており、当該調査については、調査票の送付時において、統計処理をした上で公開し、個別票を公開することはないことを明記している。

包括的・継続的ケアマネジメントの協働体制 4.研 究 結 果

地域包括の主任と介護支援専門員が、共に包括的・継続的ケ アマネジメントに取り組むため には、個人対個人としてではなく、地域包括と居宅が組織としてケアマネジメント支援を実施 し、介護支援専門員の行う支援を担保できるような体制が必要であり、そのためには組織間で協働して対応することが重要になる。(図1)

 

地域包括支援センターと居宅介護支援事業所の組織間協働のためのコーディネーションの8つの役

  「組織間協働」を実現するためには、協働のための「コーディネーション」を行う必要があり、本研究では、「つなぐ」を中核にした「ボランティアコーディネーション」に着目し、早瀬・筒井(2009)の「ボランティ アコーディネーションの8つの 役割」等の理論を応用し、居宅 と地域包括の組織間協働のためのコーディネーションの役割を 整理した。(図2)地域包括の主任が、「個別支援」と「体制整備 」を一体的に実施するには、この「コーディネーション」を意識することが重要になる。  

 

 

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