■テーマ:開かれた学、批判の学としての社会福祉学の展開
~一番ヶ瀬社会福祉研究の検証と継承~
■趣 旨:
近年、社会福祉学は高度に細分化され、さまざまなディシプリンに基づいて研究が進められ、社会福祉研究の領域は多岐にわたっている。今年、60周年を迎える日本社会福祉学会における研究も、社会の変化、時代の要請に伴ってその対象を広げているのが現状である。
これまでの日本社会福祉学会のあゆみを振り返ると、学会の発展に力を尽くされた優れた研究者は数多くいる。しかしながらその中で、一番ヶ瀬康子名誉会員ほど研究対象を広く設定し、多領域に及ぶ研究に着手された研究者は稀であろう。窪田暁子名誉会員は、『一番ヶ瀬社会福祉論の再検討―生活権保障の視点とその広がり―』(2013年12月)の序で、一番ヶ瀬名誉会員の幅広い関心と深い探求心に裏づけられた諸業績を、「広く深々とした大きな森林」にたとえている。
一番ヶ瀬名誉会員の研究対象の幅の広さは、人間生活の全面的把握を目指して学問としての社会福祉学を提起しようとしたことに起因する。このような人間生活の全面的把握については、岡村重夫名誉会員の基本的な考え方とも共通する。
そこで本大会のシンポジウムでは、一番ヶ瀬名誉会員が生前切り拓いてこられた社会福祉学の理論・歴史・政策・実践を再度検証し、今後われわれがそれをどのように引き継ぐべきであるかを問いたい。そのことはわれわれが研究対象としている社会福祉をどのようにとらえるのかという議論を再考することにつながるであろう。一番ヶ瀬名誉会員と関わりをもちながら、現在各領域の第一線で活躍しているシンポジストから批判継承すべき点を提起していただき、われわれに託された課題を明らかにしたい。
*但し、学生(大学生・大学院生)の方は、会員・非会員を問わず、参加費を免除しますので、受付で学生証を提示してください。
■参加申込み方法:事前申込締切は5月16日(金)です。
本大会からWebによる事前参加申込を行います。
こちらからお申込をお願いたします。
■プログラム:
13:00~13:05
開会挨拶 岩田 正美(日本女子大学)
13:05~13:40
日本社会福祉学会学術賞受賞者講演
【講師】
小原 眞知子(東海大学)
『要介護高齢者のアセスメント-退院援助のソーシャルワーク』
13:50~16:50
シンポジウム「開かれた学、批判の学としての社会福祉学の展開
~一番ヶ瀬社会福祉研究の検証と継承~」
【シンポジスト】
山縣 文治(関西大学)
永岡 正己(日本福祉大学)
中川 清(同志社大学)
岩田 正美(日本女子大学)
【コメンテーター】
井岡 勉(同志社大学・名誉教授)
【コーディネーター】
古川 孝順(西九州大学)
16:55~17:00
閉会挨拶 牧里 毎治(関西学院大学)
全体司会 金子 光一(東洋大学)
*同日10時から正午まで、定時社員総会(1号館1101教室)が開催されます。
代議員でなくても、会員であれば参加できますので、多くの皆様のご参加をお待ちしています。