■テーマ:「エビデンス・ベースドの社会福祉研究・実践をいかに進めるか」
■趣 旨:
社会福祉学の研究や実践について、いかにエビデンスをもとに進めていくかは、社会福祉学にとっても、社会福祉学の研究者・実務者にとっても重要な課題である。
近年の社会福祉学界におけるエビデンスに関する研究動向は、昨年の会長講演でも指摘したが、データに基づき示唆を与えることのできる研究成果は見られるものの、こうした研究成果を昇華させ「言いきれる強い根拠のある」エビデンス形成には至っていない研究がほとんどである。確かに、エビデンスとして明示化しにくい実践や、そもそも何をもってエビデンスとするのかという議論もあろう。しかし現在の社会福祉学界の研究動向は、仮説探索的な研究が中心で、仮説構築研究や仮説を検証する評価研究がほとんど見られない状況にある。社会福祉学には「認識科学」としての貢献に留まることなく、「設計科学」や「評価科学」としての貢献も求められているのではないだろうか。
また、エビデンスを形成することは、単に実践や事業などをデータ化して分析する一方的な関係に留まらない。むしろエビデンスの形成そのものが実務と研究の共同作業であり、エビデンスを実務にフィードバックすることで、研究と実務との双方向的な関係形成が可能になるのである。
そこで本大会では、改めて社会福祉学におけるエビデンス・ベースドの研究をどのように進めていけばよいのかを論じたい。
シンポジウムでは、二つの異なる軸からこの問題を考えていきたい。まず前提となる研究方法の観点から、社会福祉学における量的研究と質的研究の動向と基本的な課題を明らかにする。次にエビデンス・ベースドの研究について、評価対象の観点から、社会福祉制度やソーシャルワーク実践について、代表的な研究を紹介してもらい、将来に向けての課題と展望を示すこととしたい。
*但し学生(大学生・大学院生)の方は、会員・非会員を問わず、参加費を免除しますので、受付で学生証をご提示ください。
■プログラム
13:00~13:05
開会あいさつ 会長 白澤 政和(桜美林大学大学院)
13:05~13:40
日本社会福祉学会学術賞受賞者講演
【受賞者紹介】
杉村 宏(2011年度日本社会福祉学会学会賞審査委員会委員長)
【講師】
秋元 美世(東洋大学)
13:50~17:00
シンポジウム「エビデンス・ベースドの社会福祉研究・実践をいかに進めるか」
【シンポジスト】
【コーディネーター】
白澤 政和(桜美林大学大学院)
17:05
*10時~正午まで、定時社員総会(会場:1号館 1階 1101番教室)が開催されます。
代議員でなくても、会員であれば参加できますので、多くの会員の皆様のご参加をお待ちしています。