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大会校企画シンポジウム
9月21日(土)14:15~17:45 [図書館4階・特別教室A・B]

テーマ:「貧困と社会福祉 -貧困問題への創造的実践を考える-」
 
講師
基調講演: 「格差・貧困問題と民主主義」
講 師: 湯浅 誠(社会活動家)
シンポジスト: 櫛部 武俊(釧路社会的企業創造協議会)
  藤田 孝典(ほっとプラス)
  木下 武徳(北星学園大学)
コーディネーター: 杉岡 直人(北星学園大学)
コメンテーター: 湯浅 誠(基調講演者)
  福原 宏幸(大阪市立大学)
※敬称略

※氏名をクリックすると資料を確認できます。

 

 貧困問題は、この10年あまりの間に社会福祉政策の大きな焦点の一つとなってきました。格差社会、ワーキングプア、派遣切り、貧困拡大社会、孤独死・孤立死、日本の高い貧困率など、貧困に関する事象が深刻な社会問題として認識されてきました。日本の貧困対策においても、生活保護利用者が増加するなかで、「求職者支援制度」や「住宅手当」等の「第二のセーフティネット」が創設され、さらに生活保護改革の稼働年齢層対策や保護基準削減、扶養義務の履行等が政治的課題とされ、大きな議論になっています。
 そのような中、拡大する貧困に対して、ホームレスの人への伴走型支援、生活保護利用者への自立生活支援、貧困世帯の子どもへの無料塾、全国24時間電話相談(よりそいホットライン)、『ビッグイシュー』等、NPO等を中心とした新しい創造的な実践が、全国各地で広がりつつあります。いま、日本経済の低迷、国や地方自治体の財政的逼迫、行政の対応能力の低下等の社会構造的要因が、貧困問題の拡大に拍車をかける中、これらの創造的実践への期待がより一層高まりつつあるといえます。
 本シンポジウムでは、この各地における創造的実践に焦点を当てながら、それらが社会福祉実践においてどのように位置づけられ、社会福祉政策の展開にとってどのような意義を持つのか、また、社会福祉学における貧困研究に今後どのようなインパクトを与えるのか、等の観点から検討を加え、コミュニティにおける貧困問題への創造的実践の可能性について考えていきます。

 

プロフィール

湯浅 誠(ゆあさ まこと)氏 基調講演者、コメンテーター
現職:社会活動家。
学歴:東京大学大学院法学政治学研究科博士課程単位取得退学。
活動歴:1990年代より野宿者(ホームレス)支援に携わる。2008~09年年末年始の「年越し派遣村」では村長を務める。2009年から2012年まで通産2年間、内閣府参与を勤める。
著書:『反貧困』(岩波新書、2008年、第14回平和・協同ジャーナリスト基金賞大賞、第8回大仏次郎論壇賞)、『どんとこい!貧困』(イーストプレス「よりみちパン!セ」シリーズ、2009年6月刊)、『ヒーローを待っていても世界は変わらない』(朝日新聞出版、2012年)など。

櫛部 武俊(くしべ たけとし)氏 シンポジスト
現職:一般社団法人釧路社会的企業創造協議会副代表。
学歴:北星学園大学文学部社会福祉学科卒。
職歴:釧路市職員となり、保護課ケースワーカー等を経て現職。
活動歴:社会保障審議会「生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会」委員など。
著書:共著『希望をもって生きる~生活保護の常識を覆す釧路チャレンジ』CLC、2010年、共著『生活保護』ミネルヴァ書房、2013年など。

藤田 孝典(ふじた たかのり)氏 シンポジスト
現職:NPO法人ほっとプラス代表理事。社会福祉士。
学歴:ルーテル学院大学大学院博士前期課程修了。
活動歴:社会保障審議会「生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会」委員など。
著書:共著『反貧困のソーシャルワーク実践―NPO「ほっとポット」の挑戦―』 明石書店、2010年、『ひとりも殺させない~それでも生活保護を否定しますか~』堀之内出版、2013年など。

木下 武徳(きのした たけのり)会員 シンポジスト
現職:北星学園大学社会福祉学部准教授。
学歴:同志社大学大学院文学研究科博士課程修了。
職歴:日本学術振興会特別研究員、北星学園大学社会福祉学部専任講師を経て現職。
研究:日米の公的扶助政策などを研究している。
著書:著書は、『アメリカ福祉の民間化』日本経済評論社、2007年、「福祉事務所と民間福祉の役割と協働」『貧困研究』no.10号、明石書店、2013年など。

福原 宏幸(ふくはら ひろゆき)会員 コメンテーター
現職:大阪市立大学大学院経済学研究科教授。
学歴:大阪市立大学大学院経済学研究科博士課程修了。
職歴:大阪市立大学経済学部講師・助教授等を経て現職。
研究:「社会的排除/包摂」をテーマに、調査研究を行っている。
著書:編著『社会的排除/包摂と社会政策』法律文化社、2007年。共編著『21世紀 のヨーロッパ福祉レジーム―アクティベーション改革の多様性と日本』糺の森書房、2012年 など。

杉岡 直人(すぎおか なおと)会員 コーディネーター
現職:北星学園大学社会福祉学部教授。
学歴:北海道大学大学院修士課程修了。
職歴:北海道大学助手、北星学園大学専任講師・助教授を経て現職。
活動歴:北海道NPOバンク理事長、北海道地域福祉学会会長、日本村落研究学会および福祉社会学会理事。
研究:家族と地域福祉およびNPOの研究に関わる。
著書:最近の主な著書は、共著『協働性の福祉社会学』東京大学出版会2013年、編著『地域福祉』有斐閣、2013年など。

 

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