テーマ:近未来の社会福祉の枠組みと仕組み
-環境・医療・福祉政策とソーシャルワークの好循環を求めて-
<企画趣旨>
日本の社会経済は、円高・デフレ不況の連鎖の中で、その出口(例えば、景気回復や社会保障・社会福祉のセーフティネット の再構築等)を模索して迷走している。社会福祉の領域では、雇用情勢の悪化による雇用不安やホームレス問題、自殺者の 継続的な増加、外国人の雇用問題や生活問題が社会問題化し、高齢者虐待や若者の犯罪等も増加し続けており、あらゆる面 で安全網(セーフティネット)の綻びが顕著になっている。歴史的な政権交代がなされたが、新政権は、従来からの年金、 雇用、医療、福祉、少子高齢化、貧富の格差、地方の衰退、環境問題など包括的に解決する政治政策課題の対応に苦慮して いる。秋季大会では、グローバル化を視野に含みつつ、経済社会や住民生活の不確実性に対応する、持続可能な社会福祉の 枠組み及び仕組みの「像」を、環境・医療福祉政策とソーシャルワークの視点から模索する。
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シンポジスト | 炭谷 茂 氏 | (恩賜財団済生会理事長、 学習院大学特別客員教授) |
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二木 立 氏 | (日本福祉大学教授、副学長) | 759 | ||
白澤 政和 氏 | (大阪市立大学大学院教授) | 761 | ||
コーディネーター | 武川 正吾 氏 | (東京大学大学院教授) | ||
& コメンテーター | 上野谷 加代子 氏 | (同志社大学教授) |
■ 炭谷 茂 (すみたに しげる) 氏 プロフィール
1946年 富山県高岡市生まれ。
1969年東京大学法学部卒業後、厚生省(当時)に入る。厚生省社会・援護局長等を経て2003年7月環境事務次官に就任、2006年9月退任。 現在恩賜財団済生会理事長、(財)地球・人間環境フォーラム理事長、学習院大学法学部特別客員教授、日本更生保護協会理事等を務める。
また国家公務員在職中から一個人として障害者、ホームレス、引きこもりの若者などへの就労支援、貧困地域のまちづくりなど社会貢献活動に従事。
著書として「私の人権行政論」(解放出版社、2007年)、「環境福祉学の理論と実務」(編著、環境新聞社、2006年)「社会福祉の原理と課題」 (社会保険研究所、2004年)、「地球環境問題の新常識」(共著、東洋経済新報、2004年)等
■ 二木 立 (にき りゅう) 氏 プロフィール
日本福祉大学教授・副学長・常任理事。医学博士(東京大学)、博士(社会福祉学。日本福祉大学)。
1951年生まれ、1972年東京医科歯科大学医学部卒業。東京・代々木病院研修医、東大病院リハビリテーション部医員、代々木病院リハビリテーション 科長を経て、1985年から日本福祉大学教授。
専門は医療経済・政策学で、政策的意味合いが明確な日本医療の実証研究と医療・介護政策研究との「二本立」研究を続けている。
主な著書は、『現代日本医療の実証分析』(医学書院,1990。吉村賞受賞)、『保健・医療・福祉複合体』(医学書院,1998。社会政策学会奨励賞受賞) 、『医療経済・政策学の視点と研究方法』(勁草書房,2006)、『介護保険制度の総合的研究』(勁草書房,2007)、『医療改革と財源選択』(勁草書 房,2009)等。
その他、日本福祉大学21世紀COEプログラム拠点リーダー(2003~2007年度)、日本学術会議連携会員(2006年~)、日本医師会医療政策会議委員 (2010年~)等を勤める。
■ 白澤 政和 (しらさわ まさかず) 氏 プロフィール
大阪市立大学大学院生活科学研究科 教授、社会学博士
1949年 三重県名張市に生まれる
1974年 大阪市立大学大学院修士課程修了(社会福祉学)
1975年 大阪市立大学生活科学部社会福祉学科 助手
1982年 大阪市立大学生活科学部社会福祉学科 講師
1983年~84年にかけてミシガン大学老年学研究所在外研究員
1988年 大阪市立大学生活科学部社会福祉学科 助教授
1994年 大阪市立大学生活科学部人間福祉学科 教授
2000年 大阪市立大学大学院生活科学研究科教授
2003年から2007年まで 大阪市立大学大学院生活科学研究科研究科長(学部長兼務)
<主要著書>
「介護支援専門員基本テキストブック」(編著)長寿社会開発センター(2000年)
「ケアマネジメントの実際」(編著)全国社会福祉協議会(2000年)
「改訂 介護支援専門員実践テキストブック」(編著)中央法規出版(2000年)
「ケアマネジメント概論」(編著)中央法規出版(2000年)
「ケアマネジメントの実践と展開」(編著)中央法規出版(2000年)
「海外と日本のケアマネジメント」(編著)中央法規出版(2000年)
「21世紀への架け橋-社会福祉援助と連携」(編著)中央法規出版(2000年)
「介護支援専門員ケアプラン実践講座」(編著)シルバー新報社(2001年)
「介護支援専門員ケアマネジメント事例集」(編著)中央法規出版(2001年)
「岡村理論とケアマネジメント研究」『ソーシャルワーク研究』Vol.31 No.1(2005年)
「医療・介護・福祉の連携-ケアマネジメントの視点から」『精神神経学雑誌』(2005年)
「災害時に求められるケアマネージャーの役割」『介護支援専門員』7巻6号(2005年)
「介護保険制度の新たな展開」『日本在宅ケア学会誌』Vol.9 No2(2005年)
「ストレングスモデルにもとづく介護予防ケアマネジメント―理論と実際―」(編著)中央法規出版(2007年)
「ストレングスモデルのケアマネジメント」(編著)ミネルヴァ書房(2009年)
その他 介護保険、保健・医療・福祉の連携、ケアマネジメントに関する著書・論文多数
<賞罰>
吉村仁賞受賞(『ケースマネージメントの理論と実際』中央法規出版により)
福武直賞受賞(『ケースマネージメントの理論と実際』中央法規出版により)
<役職・社会的活動>
日本学術会議会員、(社)日本社会福祉士養成校協会会長、日本在宅ケア学会理事長、日本社会福祉学会副会長、日本老年社会科学会理事 、日本認知症ケア学会理事、日本ケアマネジメント学会理事、日本介護福祉学会副会長、(社)日本社会福祉士会理事、(社)日本社会福 祉教育学校連盟理事、大阪市社会福祉審議会会長代理、堺市社会福祉審議会会長、全国訪問看護事業者協会理事、
日本で最初にケアマネジメントに関する論文や著書を書き、日本の土壌でのケアマネジメントを提唱し、日本型のサービス・デリバリー ・システムの構築に貢献した。在宅介護支援センターの創設や介護保険での介護支援専門員の創設に関わってきた。最近では、ストレングス に視点を当てたソーシャルワークの方法やその有効性についての研究を焦点にしている。
■ 武川 正吾 (たけがわ しょうご) 氏 プロフィール
1955年東京都に出生.
1984年東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学.
現在,東京大学大学院人文社会系研究科教授.
専攻は,社会政策,福祉社会学.
主な著書は,『社会政策のなかの現代』(東京大学出版会,1999),『福祉社会』(有斐閣,2001),『地域福祉の主流化』(法律文化社 ,2006),『連帯と承認』(東京大学出版会,2007),『社会政策の社会学』(ミネルヴァ書房,2009).
その他,福祉社会学会会長,日本地域福祉学会理事,日本学術会議連携会員,など.
■ 上野谷 加代子 (うえのや かよこ) 氏 プロフィール
同志社大学大学院社会学研究科教授。研究テーマは地域を基盤としたソーシャルワークの展開方法(論)と福祉教育・ボランティア学習方法。 「福祉コミュニティ形成に資するソーシャルワークの開発―ワーカー養成をめぐって」(平成19-21年度)(科学研究費・研究代表者)、 「ソーシャルワークの展開による小地域の福祉ガバナンス確立に関する理論的・実証的研究」(平成22年度―25年度)(科学研究費・研究代表) についての研究に着手している。
現在、日本福祉教育・ボランティア学習学会会長、日本地域福祉学会副会長、全国ボランティア活動振興センター運営委員会委員長、「広がれ ボランティアの輪」副会長、全国社会福祉協議会「月刊福祉」編集委員、大阪府ボランティア・市民活動センター運営委員長、精華町(京都府)、 都城(宮崎県)、松江市(島根県)地域福祉計画策定委員会委員長、等をになう。
主な著書として、「たすけあいからのネットワーキング」(松籟社)、「日本の在宅ケア」(中央法規出版)、「高齢者と家族」(中央法規出版) 、「ウエルビーイング・タウン-社会福祉入門」(有斐閣)、「福祉の地域化と自立支援」(中央法規出版)、「松江市の地域福祉計画」(ミネル ヴァ書房) ほか多数。